今回の事件のLINEでのやりとり(イメージ)
無料通信アプリ「LINE(ライン)」で賭け事の参加者を募るのは違法な「賭博場の開帳」にあたるか――。明治時代にできた刑法の処罰対象の解釈をめぐり、検察と弁護側が対決する野球賭博事件の裁判が16日にも大阪地裁で始まる。ラインは賭博場なの?
この事件は、大阪府藤井寺市の建設業ダルビッシュ翔被告(27)がラインを使い、野球賭博の胴元となって昨年4~10月に友人ら数十人から969回、総額1億円余りの賭け金を集めたとして刑法の賭博開帳図利(とり)罪に問われたもの。プロ野球や米大リーグの試合結果を予想させ、1口1万円を募ったとされる。被告が大リーグ・レンジャーズのダルビッシュ有投手の弟だったことでも注目を集めた。
被告は10月末に大阪府警に逮捕され、起訴後に保釈された。取材に「幼なじみの友人との仲間内の行為。利益のためにやったわけではない」と無罪を主張。「暴力団とのつながりもない。裁判で事実を訴えたい」と話した。事件に絡み、自らが賭け客になったとする常習賭博罪は認め、集めた金の使途は公判で明らかにするという。
賭博開帳図利罪とはどんな罪なのか。刑法によると、「賭博場を開いて利益を図った者」に3カ月から5年以下の懲役刑を科す。今年1月に始まった検察と弁護側の協議で「賭博場」の定義が争点に浮かんだ。