カリフォルニア州サンディエゴで2日、演説する民主党のクリントン氏=AP
米大統領選で民主党候補への指名が濃厚になっているヒラリー・クリントン前国務長官(68)は2日、党の予備選が7日にあるカリフォルニア州のサンディエゴで外交・安全保障について演説した。11月の本選で共和党の実業家ドナルド・トランプ氏(69)と戦うのを見越し、トランプ氏の外交政策を「危険なまでに支離滅裂だ」などと攻撃。35分間の演説の大半をトランプ批判に費やした。
特集:米大統領選2016
クリントン氏は、7日の予備選で候補者への指名獲得を決めるのはほぼ確実だ。一方のトランプ氏は候補者指名を確実にしている。クリントン氏がトランプ批判に力を注ぐのは、予備選を戦うサンダース上院議員(74)が「対トランプ氏では私の方がヒラリーより強い」と言うのに反論する意図もあるとみられる。
クリントン氏は演説で、トランプ氏の資質を問題にした。トランプ氏が日韓の核保有を許容したり、北大西洋条約機構(NATO)との関係を再考したりという考えを示したことに、「彼は自分が何を言っているのかも理解できていない」と酷評。ロシアのプーチン大統領のような「独裁者」をほめる一方、英国首相やドイツ首相、メキシコ大統領ら「友人」にはけんかをふっかけていると指摘した。米国を支持しない実力者に対するトランプ氏のあこがれは「理解不能」と嘆いた。
自身の実績も強調した。国務長官時代、対立点も多いロシアや中国と外交交渉で渡り合ったことを紹介。米国にも脅威となる核・ミサイル開発を進める北朝鮮への対応に、日韓と連携したことも挙げた。同盟を重視する自身の姿勢が、トランプ氏との違いだとした。