元ミス・トルコのメルベ・ビュユクサラチさん=AP
トルコのエルドアン大統領が首相だった時に、同氏を批判する詩をソーシャルメディアで共有したとして禁錮1年2カ月17日(執行猶予5年)の有罪判決を受けた元ミス・トルコのモデル、メルベ・ビュユクサラチさん(27)が、ロシアのスプートニク通信に「トルコの司法に対する信頼を失った」と述べ、先月31日の裁判を批判した。同通信が1日、トルコ語サイトに会見記事を掲載した。
元ミス・トルコに有罪判決 ネットで大統領批判の詩共有
ビュユクサラチさんは、詩の共有が「公務員をその業務を理由に公の場で侮辱した罪」にあたると判断されたことについて、「元々その詩は(ソーシャルメディアで)96万回もシェアされていた。侮辱する目的ではなかった」と強調。「有名人を1人選んで、『この詩をシェアすると、こんな目に遭いますよ』と市民を脅すのが目的だった」と指摘した。
また、「警察に捜査された際、私有携帯電話を押収され、プライベートの写真やビデオを含むすべてのデータをコピーされた。こんなことをする権利はない」と述べ、手続きは公正ではなかったと訴えた。
さらに先月30日、エルドアン氏が「避妊はイスラム教徒の家族にとってありえない」と発言し、若者女性に子どもを産むよう呼びかけたことについて、「女性のあらゆることについて、首を突っ込んでくる」と不快感を示した。
ビュユクサラチさんは2006年のミス・トルコ。14年、当時首相だったエルドアン氏を批判する詩を写真共有サービス「インスタグラム」で共有した。詩は、トルコ国歌をもじって、同氏の強権ぶりや、トルコの一部メディアで報じられた同氏の金銭に絡む疑惑などを揶揄(やゆ)する内容だった。(イスタンブール=春日芳晃)