全国の現金自動出入機(ATM)で5月、短時間に約18億6千万円が一斉に引き出された事件をめぐり、警視庁は6日、東京都北区上十条5丁目、塗装工和泉智之容疑者(34)を不正作出支払用カード電磁的記録供用と盗みの疑いで逮捕し、発表した。
警視庁は、和泉容疑者は現金引き出し役の一人とみており、一連の事件の逮捕者は愛知県警が逮捕した2人に続き3人目。容疑を認めているという。
組織犯罪対策特別捜査隊によると、和泉容疑者の逮捕容疑は5月15日、東京都荒川区内のコンビニのATMで、南アフリカの銀行が発行したカードの情報を書き込んだ偽造カードで現金70万円を引き出して盗んだというもの。カード情報のキャッシング機能を使い、セブン銀行のATMから約3分間で10万円を計7回引き出していたという。
一方、一連の事件に加えて、昨年12月27日午前にも東京都内などのセブン銀行のATMから約1億円が短時間で一斉に引き出されていたことがわかった。南アフリカの銀行とは別の海外の金融機関が発行したカード情報を書き込んだ偽造カードで引き出されたとみられる。一連の事件と手口が似ており、警察当局が関連を調べている。