5日に行われたペルー大統領選の決選投票は8日、開票率99・97%の段階でクチンスキー元首相(77)が50・12%、フジモリ元大統領の長女ケイコ氏(41)が49・88%を獲得。クチンスキー氏がわずかながら依然としてリードしている。一方、ケイコ氏は日本で行われた在外投票で8割以上を得票した。
選管の発表では、両候補の差は約4万票で、未開票の残票数を上回ったが、判断が難しい疑問票がまだ10万票ほどあるとみられ、勝敗は判然としない状況だ。
選管によると、日本からの票は、8日早朝にペルーの集計所に到着。同日夜までに開票が終わり、ケイコ氏の得票が82・12%、クチンスキー氏が17・88%で、ケイコ氏の「圧勝」だった。日本に暮らすペルー人の多くを日系人が占めることがケイコ氏の優勢につながったとみられる。ただ、得票数は8千票ほどで、クチンスキー氏優勢の情勢を覆すには至っていない。
今回、在外投票の総数は35万票以上。ペルー人が多く暮らす米国やスペイン、イタリアなどでクチンスキー氏が優勢なため、在外投票でも同氏がわずかにケイコ氏をリードしているが、日本のほか、南米のアルゼンチンやチリでは逆にケイコ氏が上回っている。(リマ=田村剛)