福井県若狭町で5月下旬に学校給食が原因で発生した集団食中毒を受け、町は給食を調理していた給食センターの衛生管理マニュアルに調理時間中の原則排便禁止を盛り込む方針を固めた。文部科学省健康教育・食育課は「施設の実態に合わせた再発防止策は必要だが、排便禁止は聞いたことがない」と話している。
小中8校で集団食中毒 255人が症状訴え 福井・若狭
若狭町によると、今回の食中毒では、児童や生徒、教職員ら約360人が下痢や腹痛などの症状を訴えた。
町は調理員からノロウイルスが検出されたことを問題視し、給食を再開させるにあたって、センターの手洗い場を増設し、トイレの手洗い場を自動水栓にした。
町は、福井県の保健所の担当者も交えて衛生管理マニュアルの改訂案を作成。「排便は出勤前にし、排便は給食センターでは原則しない」と明記する方針。
ただし、一切禁止というわけではない。トイレを利用する場合は、出入り口に下げた記録用紙に、各自がトイレの利用時間や健康状態などを記録しなければならない。調理が終わる前に排便した場合はセンター長(男性)か、衛生管理責任者となっている栄養士(女性)に報告し、調理以外の別の作業にあたるという。小便の場合は、報告は不要。消毒後にそのまま調理作業に戻る。