教科書を発行する大修館書店(東京)が自社の教科書を採用した高校に教材を無償配布していた問題で、長崎県の県立高校1校も提供を受けていたことが県教育委員会の調査でわかった。県教委は「教科書選定に影響は与えていないが不適切だった」と指摘。高校は教材を返したという。
大修館書店、教科書採択高校に無料で問題集提供
県教委は問題発覚以降、県内の公立高校と特別支援学校高等部の計全79校を調査。このうち1校で問題集の英語ドリルの提供がわかった。大修館書店はこれまで、東京、神奈川、埼玉など5都県の14高校に英単語や文法の問題集計1500冊(約40万円分)を無償配布したとしていたが、長崎県内での提供は明らかになっていなかった。
長崎県教委によると、この高校は昨年9月に大修館書店の英語教科書の採用を決定し、今年2月には同社発行の学習ノートも発注した。その後、同社の営業員から問題集提供の申し出があり、4月に英語ドリルが郵送されてきたという。結局、ドリルは使われず、今月10日に来校した同社の営業員に返した。県内では今年度、12校が大修館の英語教科書を採用したが、他に問題集などの提供を受けた高校はなかった。