大阪府泉佐野市の山田米一(よねいち)さん(72)宅で3人が刺され、2人が死亡、1人が重傷を負った事件で、死亡した長女の美穂さん(42)は首など数十カ所に刺し傷や切り傷がある一方、体を守る時にできる「防御創」がほとんどなかったことが14日、捜査関係者への取材でわかった。府警は、容疑者の男が美穂さんの交際相手で、2階の寝室に侵入し、抵抗できない寝込みを襲ったとみて調べている。
家族3人刺され、父娘2人死亡 娘の知人?容疑者自殺
男の怒声「ウォー」数回、住民「怖い」 泉佐野3人殺傷
捜査1課によると、13日午前3時15分ごろ、米一さん宅2階で、悲鳴を聞いた米一さんと妻の和美さん(66)が、隣の美穂さんの寝室に駆けつけた。死亡した米一さんと美穂さんは男に刺され、寝室前の廊下で倒れていた。和美さんは足に重傷を負ったが、米一さんに「1階に降りて110番しろ」と言われ、通報して外に避難した。男は3人を刺した後、逃走した。
捜査関係者によると、美穂さんは首に複数の深い傷があり、胸や腹も含め数十カ所刺されていた。男ははしごを使って寝室に入り込み、強い殺意を持って無抵抗の美穂さんを襲ったとみられる。一方、米一さんの腕には複数の傷があり、美穂さんを助けようとした可能性があるという。
捜査1課は14日、事件の2時間後に山田さん宅から約1・5キロ離れた病院屋上から飛び降り自殺したのは兵庫県西宮市の男(52)と断定した。屋上では血のついた包丁のほか、バールや手袋なども見つかったという。和美さんは男が美穂さんの交際相手と説明しており、府警は、男が計画的に美穂さんを狙ったとみて動機などを調べる。