キャンプ用品大手の「コールマン」(本社・米国)の製品を安売りしないよう小売店に強制したとして、公正取引委員会は15日、同社の日本法人「コールマンジャパン」(東京)に対し、独占禁止法違反(再販売価格の拘束)で再発防止を求める排除措置命令を出し、発表した。
販売価格を決めて取引相手に従わせる行為は、消費者が商品を安く買うことを妨げることになり、独禁法で禁止されている。
公取委によると、同社は遅くとも2010年以降、テントやテーブルなど同社が扱う約800点のキャンプ用品すべてについて、一定額より値下げさせない「販売ルール」を作り、小売店に守らせていた。公取委は、利益の確保が目的だったとみている。
小売店に指示した価格は、パンフレットに載せた希望小売価格よりも約1割安く設定。小売店も値引きを演出することができたという。こうした価格拘束は一部商品を除いてキャンプ商戦が一段落する夏ごろまでと決め、その後は在庫処分のための割引を認めていたとされる。
ルールを守らずに安売りする業者に対しては取引停止のような強硬手段はとらず、「他社もルールを守っている」などと説得していたという。公取委幹部は「競争がなくなることで、多くの小売店は好都合だったのではないか」と話す。
コールマンジャパンは、「違法という認識はなかった。命令を真摯(しんし)に受け止め、法令順守に努めたい」とコメントした。(贄川俊)