ウェールズ戦で勝ち越し点を決めて喜ぶイングランドのFWスタリッジ⑮=AP
(16日、サッカー欧州選手権)
ドイツ対ポーランドは引き分け サッカー欧州選手権
イングランドは薄氷を踏む思いで勝利をもぎ取った。1―1で迎えた後半ロスタイム。スタリッジが右足でねじ込み、ウェールズとの英国勢対決を制した。
その瞬間を「みんなが思わず立ち上がり、ベンチの屋根に頭をぶつけそうになった」と振り返ったホジソン監督。「ロシア戦のことがあったので、特別な感動に包まれた」と続けた。終了間際に追い付かれた初戦のうっぷんを晴らす劇的な勝利となった。
相手は初出場ながら1戦目を白星で飾ったウェールズ。前半42分にはFKで先制点を奪われ、さらに勢いに乗せかねない嫌な流れだった。
ベンチワークでこれを断ち切った。立役者は後半から投入した2人のFW。11分にバーディーが決めて振り出しに戻すと、土壇場でスタリッジが決勝点を挙げた。
「攻撃の駒が豊富だから早い段階で決断を下した。手詰まりになった時に、彼らのような選手がベンチにいるのは素晴らしい」と誇らしげな監督。層の厚さを見せつけた一戦で1勝1分けとし、表情には安堵(あんど)感がにじんでいた。(時事)