三菱自の不正車種と賠償額(販売終了分含む)
燃費データの不正が発覚してから約2カ月。三菱自動車が顧客への具体的な賠償方針を示した。データ改ざんがあった車への賠償額は1台あたり原則10万円や3万円で、ユーザーからはため息が漏れる。下請け会社からは、信頼回復に時間がかかりそうだという声があがった。
三菱自、全29車種で不正 1台10万円の賠償金も
特集:三菱自動車の燃費偽装問題
三菱自動車が記者会見を開いた17日夕、東京都内の販売店は客が1人で、燃費データ不正があった「アウトランダーPHEV」や「アウトランダー」が展示されていた。賠償方針について、従業員は「全く聞いていない」と繰り返した。
別の販売店でも、従業員が「ニュースで知ったばかり。会社から詳しい連絡はなく、対応できない」と硬い表情で話した。
ユーザーからは不満の声が漏れる。名古屋市北区の40代女性は、三菱自が日産に供給した「デイズ」を1年半前に新車で買った。熊本地震の後、車内でゆったり寝られる車に買い替えようとして、下取り価格が20万円ぐらい下がっていると友人に聞かされた。「10万円じゃ納得できません」
5年前に「eKワゴン」を新車で買った愛知県春日井市の主婦(43)は、他社と比べて低燃費が決め手だったという。「あきれているだけ。もう中古では売れないだろうし、乗り潰すしかない」とあきらめ顔だ。