福岡県八女市の橋で昨年、女性が転落死した事件で、県警は20日、女性の知人で福岡市博多区の無職佐久田なつき容疑者(29)=別の殺人未遂罪で起訴=を殺人の疑いで再逮捕し、発表した。調べに対し、黙秘しているという。県警は2人の間に何らかのトラブルがあったとみている。
捜査1課によると、佐久田容疑者は昨年4月29日未明ごろ、知人の飲食店従業員池田麻里さん(当時25)=同県久留米市=に睡眠導入剤を飲ませて意識をもうろうとさせ、八女市上陽町にある耳納(みのう)大橋から落とし、殺害した疑いがある。
池田さんの遺体は、同日昼に橋の約60メートル下の沢で見つかり、体内からは睡眠導入剤の成分が検出された。2人は職場の元同僚で、2014年9月ごろから事件の2カ月ほど前まで同居していた。
関係者の証言などから、2人が事件直前に行動を共にしていたことが判明。佐久田容疑者は昨年5~6月、県警から計6回、任意で事情聴取を受けたが、「記憶にない」などと関与を否定したという。
佐久田容疑者は昨年4月4日、当時交際していた男性(30)に睡眠薬を飲ませて絞殺しようとしたとして、殺人未遂罪で今月17日に起訴された。男性と佐久田容疑者、池田さんは事件前、3人で共同生活していた時期があったという。