九州北部に停滞する梅雨前線に暖かく湿った空気が流れ込み、九州北部の各県では22日午前も非常に激しい雨が降り続いた。一連の熊本地震で地盤が緩んでいる地域もあり、気象台が土砂災害への警戒を呼びかけている。
熊本地方気象台によると、降り始めの18日午後6時から22日午前10時までの雨量は、阿蘇山(熊本県)で510・0ミリ、熊本県山江村で440・5ミリ、同県五木村で425・5ミリを観測。同県山鹿市では1時間に最大64・5ミリの降水量を記録した。
福岡管区気象台によると、長崎市では1時間に82・5ミリ、福岡県大牟田市で52・5ミリの降水量を観測。大雨の影響で、JR九州は福岡県や長崎県、佐賀県などの一部区間で運転見合わせや徐行規制をしたほか、九州自動車道でも一部区間が通行止めとなった。
福岡県警によると、同県久留米市上津町の農業野中長伯(たけのり)さん(86)が22日朝、田んぼを確認するために自宅を出たまま行方が分からなくなった。久留米署は、用水路に転落した可能性もあるとみて捜索している。
九州北部では23日朝まで局地的に非常に激しい雨が降る見込み。気象台は土砂災害に注意するよう呼びかけている。