さまざまな技巧を駆使した岡本の洋館=東灘区本山北町4丁目
1923(大正12)年、神戸市東灘区本山北町4丁目の高台に建てられた「岡本の洋館」で、7月10日までの土・日曜に内覧会が開かれている。現所有者が建物の活用を条件に譲渡を含めて検討しており、18日からの公開につながった。
洋館は、大正末期から昭和初期にかけて活躍した著名な建築家木子七郎(1884~1955)の設計で、木造3階建て(一部鉄筋コンクリート)、延べ床面積約434平方メートル。敷地は1032平方メートルある。
外壁には朱色の板がうろこ状に張られ、コロニアル風の大きなベランダがつく。内装は大正時代に流行した直線を生かす「セセッション様式」や、ルネサンス風のデザインを組み合わせている。実業家稲畑二郎の邸宅として建築後、宮地汽船の迎賓館に。60年代に現所有者の親族が購入した。
内覧会は、近代建築の新たな所有者探しや活用を支援する一般社団法人「住宅遺産トラスト関西」が主催。事前予約制で、興味ある人や法人などの見学を受け付けている。
7月10日までの土日の午前11時~午後4時。午前11時30分と午後2時にはガイドツアーがある。希望者は同法人(050・3593・1336)に名前、連絡先、希望来場日を連絡する。参加費1千円。(金井和之)