授賞式後、ベルギー王妃(左から2人目)に祝福される岡本侑也さん=4日、ベルギー・ブリュッセル、津阪直樹撮影
世界3大コンクールの一つで、国際的演奏家への登竜門とされるエリザベート王妃国際音楽コンクール・チェロ部門の選考結果が4日未明、ベルギー・ブリュッセルで発表され、ドイツ在住の日本人、岡本侑也さん(22)が2位になった。岡本さんは「権威あるコンクールで評価されてうれしい。これからもっと自分の演奏を深めていきたい」と話した。
岡本さんは東京都出身。音楽家の両親のもとにうまれ、生後すぐにドイツに渡り、6歳からチェロを始めた。ドイツで約10年過ごした後、日本に帰国。東京芸術大学付属の音楽高校を経て東京芸術大学に入学したものの1年生の秋に休学し、再びドイツへ。ミュンヘン音楽大学に留学し、今もミュンヘンで学びながら活動している。
エリザベートという名が冠され、コンクールが始まったのは1951年。バイオリンやピアノ部門のほか、今年初めてチェロ部門が加わった。世界中から202人の応募があり、1次審査は5月8日から始まった。岡本さんはブリュッセルでホームステイしながら参加し、1次審査、準決勝を突破し、12人の決勝進出者に選ばれた。
コンクールの対象は30歳未満(2016年12月末時点)で、優勝者には、賞金2万5千ユーロ(310万円)、2位には2万ユーロ(約250万円)が贈られる。優勝したのはフランス人のビクトル・ジュリアンラフェリエールさん。エリザベートコンクールでの日本人の入賞は、2012年に作曲部門で優勝した酒井健治さん、バイオリン部門で2位になった成田達輝さん以来。(ブリュッセル=津阪直樹)