板でほぼ覆われた岡本光博さんの「落米のおそれあり」=17日午後、沖縄県うるま市、丸山ひかり撮影
沖縄県うるま市のアートイベントで、米軍機の墜落事故をモチーフにして美術家の岡本光博さん(49)=京都市=が描いた「落米(らくべい)のおそれあり」に対し、地元自治会から反対意見が出ていた問題で、イベントを共催する市は17日、絵にベニヤ板の覆いをかけ、非公開とした。
米軍機墜落モチーフの作品、市が非公開へ 沖縄・うるま
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作品は伊計(いけい)島の商店のシャッターに描かれたもので、商店を所有する地元自治会から市側に「政治的な主張をアピールする作品であり、地域活性化を目的としたイベントにふさわしくない」との意見が寄せられていた。
市商工観光課は「地域の協力が不可欠」とし、非公開を決定。今後も地元の意向に沿う形で、関係者間で対応を協議するという。17日は朝から、木の覆いを設置する作業があり、非公開の方針を報道などで知って作品を見に現場を訪れた市民もいた。
岡本さんの作品は、18日から始まるイベントのために現地で制作したもので、落石に注意する黄色と黒の道路標識を模して、星条旗の図柄を用いながら、米軍機の墜落などに注意を促す内容だった。岡本さんは、「島の現状を映し出した注意看板として作った」と説明している。
伊計島は過疎化が進み、人口265人。イベントは国の沖縄振興特別推進交付金で毎年開催されている。(丸山ひかり)