参院選、市長選、市議補選の三つの選挙のポスター掲示場。スペースが足りず、場所を変えたところもある=大阪府羽曳野市
参院選の投開票日と同じ日に、地元の市長選、市議補選を実施し、トリプル選となる自治体が全国に二つある。大阪府の羽曳野市と河内長野市だ。いずれも初のトリプル選で、両市選管とも準備に大わらわだが、投票率アップに向けて奮闘している。
特集:2016参院選
羽曳野市内には、候補者のポスター掲示場が250カ所ある。横幅は参院選が4メートル、市長選と市議補選を合体したものが3・6メートル。今回、一緒に掲示できるスペースがなかった16カ所で、場所を変更した。
投票箱も不足した。市内37カ所の投票所にそれぞれ参院選の選挙区と比例区、市長選、市議補選の4個の投票箱を置かなければならない。計148個が必要となる。市議選と衆院選が重なった2009年以来7年ぶりに倉庫から投票箱を引っ張り出したが、それでも少し足りず、新たに5個購入した。
トリプル選ゆえのトラブルもある。河内長野市では参院選の公示日の22日、参院選の掲示板に貼らなければならないポスターが、市長選の掲示板に貼られる間違いが3カ所で発生。市民からの通報を受け、陣営に連絡した。
期日前投票の呼びかけも工夫する。開始日は参院選が23日、市長選と市議補選は7月4日。この間の23日から7月3日に参院選の期日前投票をした有権者が、市長選と市議補選の投票をするにはもう一度、投票所に足を運んでもらう必要がある。河内長野市では7月3日までに期日前投票した人に「4日から9日までは市長選と市議補選の期日前投票をしていただくことができます」と書いた紙を手渡し、投票を周知している。
両市が苦労を承知の上、トリプル選に踏み切った最大の理由は、投票率を上げたかったからだ。河内長野市でみると、前回参院選の投票率は54・17%だったが、市長選の投票率は過去最低の38・00%。参院選に合わせて実施することで市長選の投票率アップが期待できる。
経費の削減も大きい。別々に実施するよりも河内長野市では1700万円、羽曳野市では1千万~1500万円、節減できるという。
両市選管とも「18歳以上が投票できる初の選挙。ぜひとも来てほしい」と呼びかけている。(鈴木洋和)
■トリプル選の日程
6月22日 参院選の公示
23日~7月3日
参院選のみ期日前投票ができる
7月3日 市長選と市議補選の告示
4日~9日
参院選、市長選、市議補選のすべての期日前投票ができる
10日 投開票日
■前回選挙の投票率
・羽曳野市
参院選(13年)53.31%
市長選(12年)43.25%
市議補選(12年)43.21%
・河内長野市
参院選(13年) 54.17%
市長選(12年) 38.00%
市議補選(08年)46.19%