中東和平交渉の再開を模索する米ロと欧州連合、国連の「カルテット」は1日、イスラエル人を狙ったテロ行為を非難するようパレスチナ自治政府に求めるとともに、占領地への入植をやめるようイスラエルに求める報告書を公表した。米国仲介の和平交渉が頓挫する中で、イスラエルとパレスチナの「2国家共存」を目指す交渉の再開に向けた環境づくりが狙いだ。
報告書は「イスラエル人へのテロ行為」や「暴力の扇動」が起きる中では、平和的な共存を実現することはできないと指摘。パレスチナ自治政府に対し、パレスチナ人による暴力を止めさせ、テロ行為を明確に非難することを求めた。テロ実行犯がしばしば「勇敢な殉教者」と公に礼賛され、特に若者に影響していることも問題視している。
一方、イスラエルに対しては、ヨルダン川西岸などの占領地への入植活動が、やはり共存の実現可能性を損ねているとして、やめるよう求めた。報告書はイスラエルの大臣がパレスチナ国家を絶対に認めないと発言したことも指摘し、2国家共存へのイスラエルの姿勢に「もっともな疑念」が浮上している、とイスラエルを批判した。
国連のニコライ・ムラデノフ特…