スペイン・マドリードで10日、ラホイ首相(右)と会談するオバマ米大統領=AP
オバマ米大統領は10日、就任後初めてスペインを訪れ、英国の欧州連合(EU)離脱問題などについてラホイ首相と話し合った。会談後、オバマ氏は記者会見し、「格差が広がり、人々が置き去りにされたと感じると、分裂を起こさせるようなポピュリズムが出てくる」と警戒感を示した。
オバマ氏は「米国内のポピュリスト衝動と英国のEU離脱決定の投票などの間には関連性がある」と指摘。共和党のトランプ氏を念頭に「自国で心配すべき政治を抱えている」と吐露し、「(選挙キャンペーンでは)あらゆるところで多くのレトリックが使われている。最後には国民が、大統領の重要性を認識し、誰が大統領執務室に座るかについて真面目に決定を下すと考える」と語った。
スペインでは先月の総選挙で、EUに異を唱えて台頭するとみられていた左派新党ポデモスが伸び悩んだ。議席を伸ばした与党・国民党(中道右派)が社会労働党などとの連立政権樹立を目指している。オバマ氏は「(スペインが)どのような形の政権になっても、諸問題について協力していけると確信している」と述べた。
オバマ氏は、ラホイ首相との会談前に国王フェリペ6世とも会談。オバマ氏は米テキサス州の警察官狙撃事件を受け、当初の滞在予定を1日短縮して帰国した。(マドリード=杉山正)