避難指示が解除された福島県南相馬市小高区のJR小高駅を出発する一番列車。「相馬野馬追」の騎馬武者が背負う「指旗」がホームに飾られていた=12日午前7時33分、福留庸友撮影
東京電力福島第一原発事故で不通になっていた福島県南相馬市内のJR常磐線が12日朝、小高(おだか)―原ノ町駅間(9・4キロ)で運転を再開した。同市南部に出ていた1万人超を対象とする避難指示が解除されたためで、5年4カ月ぶりに乗客を乗せた列車がJR小高駅に到着した。
地域の伝統行事、「相馬野馬追」の騎馬武者が背負う「指旗(さしばた)」がたなびくホームに、乗客約170人を乗せた2両編成の始発列車が到着した。小高駅前ですし店を経営する山沢茂さん(64)は「この日を待っていた。少しでも以前のにぎわいを取り戻せたら」と喜んだ。
折り返しの電車に乗った、県立相馬高校1年の根本奈央美さん(15)は11日に家族4人で小高区の自宅に戻った。「下りの一番列車を狙ってきました。ドキドキします。コンビニが近所にないのは少し不安だけど、解除は待ち望んでいました」と話した。
桜井勝延市長や原子力災害現地…