直近の東京都知事6人の在任期間と主な実績
首都の「顔」にふさわしい人を選ぶ判断基準はどこに置けばよいのか。元東京都副知事の青山佾(やすし)さん(72)、哲学者の國分功一郎さん(42)、タレントの春香クリスティーンさん(24)の3人に語り合ってもらった。
2016都知事選
――告示直前まで誰が出るのか決まらない。
春香 これまでも、「後出しジャンケン」みたいなことが繰り広げられてきた。立候補する人が分からないと、候補者がどういう人なのか知る時間がない。ぎりぎりまで裏側で動きましょう、みたいな考え方が、選挙を私たちから遠ざけていると思う。
青山 1千万人超の有権者がいる都知事選と、小規模な自治体の選挙期間を同程度にするのは無理がある。つまみ食いしたような政策であっても、十分な政策論争がなされないままで投票せざるを得ない。選挙期間が2~3カ月あれば、メディアが候補者の「身体検査」をし、政策論争を重ねることができる。
國分 欧州では選挙期間が1カ月ぐらいあり、その間に失言があって落ち込む候補がいれば、うまい発言をして人気が出る候補もいて、激しいドラマを経てやっと投票となる。候補者ももまれ、自分の政策を練り上げていく。私が関わった東京都小平市の道路計画を巡る住民投票運動でも、運動をやりながら自分たちの考えを磨き上げていった。候補者が出来上がったものとして現れるのではなく、選挙期間に成長していくような形にしなくてはいけない。世界にはいろんな選挙制度がある。昨年末、フランスの地方選挙が行われたが、投票は2回行う。東京のような巨大都市の首長を2週間程度の選挙期間とたった一度の投票で決めていいのかという視点も必要だ。
――短期間の選挙戦を知名度争…