北京で開かれていた欧州連合(EU)・中国首脳会議が13日、閉幕した。双方が相手に期待した経済分野の成果は引き出せず、共同声明も発表されない模様だ。南シナ海問題を巡る常設仲裁裁判所の判決や、中国と関係の近い英国がEU離脱を決めたことを受け、両者の距離が目立った。
特集:南シナ海問題
EU側による閉幕後の記者会見で、EU首脳会議のトゥスク常任議長(大統領に相当)は冒頭、「共通のルールに基づく世界的な秩序は相互の利益だが、実際に何を意味するかは(中国との間で)違いがある」と述べた。「法の支配」は自由や民主主義と並ぶEUの基本理念の一つ。南シナ海問題での自国に不利な判決に猛反発した中国との溝の深さをうかがわせた。
ユンケル欧州委員長(首相に相当)は、中国でつくりすぎた鉄鋼製品が安く世界の市場に流入する過剰供給問題を強調。「欧州の人々にとって非常に深刻な問題だ」として、中国側との作業部会をつくって解決を目指す考えだ。
中国側は、貿易紛争で不利にな…