共同記者会見に臨む(左から)宇都宮健児、小池百合子、鳥越俊太郎、増田寛也の各氏=13日午後、東京都千代田区の日本プレスセンター、林敏行撮影
東京都知事選の告示を翌日に控えた13日、立候補を表明した4人が日本記者クラブでの共同記者会見に出席した。元防衛相の小池百合子氏(63)、元総務相の増田寛也氏(64)、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76)と、元日本弁護士連合会会長の宇都宮健児氏(69)がそれぞれ、都政にかける決意を語った。宇都宮氏は会見後、立候補を取り下げた。
宇都宮健児氏が立候補見送り表明 東京都知事選
この4年で3回目となる選挙のきっかけとなった「政治とカネ」、待機児童問題の解消策、2020年の東京五輪・パラリンピックの経費問題、首都直下地震対策など、都政が抱える様々な課題について議論を交わした。
「たまには女性にしたらいいんじゃないの」。都知事の資格があると思うか問われた小池氏は、初の女性都知事に意欲を示した。東京五輪予算は、適正化を再チェックするとし、「パラリンピックを活用して高齢者や障害者に優しい東京に」と語った。舛添要一・前知事の辞職を受け、「お金の問題を繰り返さない独立した委員会を作り、東京大改革の1丁目1番地にする」とした。出馬会見で語った「都議会の冒頭解散」の具体的な手法については詳しくは触れなかった。
自民と公明の推薦を受けた増田氏は「都内の区市町村長と対話を重ねた。総務相や岩手県知事を経験し、現場目線がある」とアピール。「待機児童、高齢化社会、首都直下地震。三つの不安の解消」を訴えた。待機児童問題は「バス送迎での広域保育など知恵を出せる。都がチームを作り、住民と丁寧に話し合う」。東京一極集中を批判しながら、一転、都知事を目指すことを問われ、「問題提起した側として、中に入って解決するのがけじめ」と答えた。
鳥越氏は、告示2日前に出馬表明した。「究極の後出しじゃんけん」と言われたが、「舛添さん問題で、都民がつらい思いをして納めた税金をなぜ軽々しく使うのかと、都政に関心を持った」と説明。「私自身ががんサバイバー。日本のがん検診受診率は30%台なので、100%を目指す」と語った。「東京五輪・パラリンピックは、コンパクトでスモールな大会を目指す」「待機児童問題などには、ほかの喫緊ではない公共事業を後回しにして予算を回す」などとした。
一方、宇都宮氏は、ほかの候補より政策を練ってきたと強調した。「最低賃金を上げるため、公契約条例を作る。最低賃金1500円以上の企業にしか都発注の事業を請け負わせない」などと訴えた。税金の公私混同問題は「石原(慎太郎)さん時代から続いてきた」と指摘。「都民の目で都政をチェックする『都民評議会』の設置」を提案した。13日夜の鳥越氏との会談で、これらの政策は今後、鳥越氏が生かすことで一致したという。
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4人のほか、13日までに記者会見を開いて立候補を表明したのは、ほかに、マック赤坂氏、中川暢三氏、桜井誠氏、今尾貞夫氏、山口敏夫氏、立花孝志氏、山口節生氏、高橋尚吾氏、山中雅明氏、上杉隆氏、七海ひろこ氏の11人。