モンゴルへの出発前、記者の質問に答える安倍晋三首相=14日午前、羽田空港、時事
安倍晋三首相は14日午前、16日までの日程でモンゴルで開かれるアジア欧州会議(ASEM)首脳会合に向け、羽田空港を出発した。首相は出発前、記者団に「(中国の)李克強(リーコーチアン)首相、そして(韓国の)朴槿恵(パククネ)大統領とも調整がつけば、意見交換を行いたい」と語り、中韓首脳との会談に意欲を示した。
中国をめぐっては、南シナ海の領有権問題でオランダの常設仲裁裁判所が12日、中国の主張は国際法に反するとの判決を出した。日本政府は「当事国は今回の判断に従う必要がある」と主張し、中国は反発している。安倍首相は李首相との意見交換のなかで、判決に言及する可能性もある。
韓国政府は昨年末の日韓合意に基づき、月内にも元慰安婦らを支援する財団を設置する準備を進めており、日韓両首脳は財団をめぐる両政府の関わり方などについて、意見を交わす可能性もある。
一方、天皇陛下が「生前退位」の意向を示していることについて、安倍首相は記者団に「様々な報道があることは承知をしている。そうした報道に対し、事柄の性格上、コメントすることは差し控えさせて頂きたい」と語った。菅義偉官房長官も14日午前の記者会見で、生前退位の制度創設を検討するかどうかについては「考えていない」と否定した。