2014年2月の東京都知事選後に運動員に報酬を払ったとして、公職選挙法違反(買収)の罪に問われた元航空幕僚長・田母神(たもがみ)俊雄被告(67)の裁判が20日、東京地裁であり、弁護側が冒頭陳述を読み上げた。「現金管理のルール上、被告に決裁権限はなかった」として、改めて起訴内容を全面的に否認した。
田母神陣営の元出納責任者に猶予付き判決 買収の罪
田母神氏、横領は不起訴処分 東京地検
弁護側は、陣営の選挙対策本部では支出の際、金額に応じて決裁する担当が違ったが、田母神被告はそこに入っておらず、指揮、命令する立場になかったことを強調。2千万円の現金配布計画を知らされた際も選対本部長に相談するよう進言したという。「被告は了承を留保していたが、選対事務局長や出納責任者が配った」と主張した。
起訴状によると、田母神被告は14年3~5月、元選挙対策本部事務局長や元出納責任者と共謀し、運動員5人に計280万円を配ったほか、元出納責任者と共謀し、元選対事務局長に200万円を配ったとされる。田母神被告は先月の初公判で「お金を配ったことはなく、共謀もしていない」と起訴内容を全面的に否認していた。