NHK経営委員長選出の流れ
NHKの最高意思決定機関である経営委員会の委員長に、JR九州相談役の石原進氏(71)が就任した。3年前の会長選考では、一委員として籾井勝人会長(73)を推薦。安倍政権を支持する民間団体の名誉顧問も務めた。籾井氏が再任されるかが注目される次期会長の選考を主導するNHKの経営トップは、どのように選ばれたのか。
先月28日、東京・渋谷のNHK放送センター。22階にある一室に12人の全委員が集まり、新委員長を互選する経営委員会があった。
無記名投票で、名前が挙がったのは石原氏と、委員長代行の日本たばこ産業顧問本田勝彦氏(74)。2人を除いた10人で協議に入る前、委員の一人が石原氏に説明を求めた。
「3年前の会長選出で、籾井会長を推した理由を聴かせてほしい」。発言の背景には、就任時から政府に寄り添うような発言を繰り返し、公共放送として政治的中立性が求められるNHKへの信頼を揺るがした籾井氏への不信があった。
石原氏は「籾井氏とは以前から…