ボールを持つ堀貴志さんに守備をするチームメートが次々と車いすで激突した=17日、福岡市南区
ブラジルのリオデジャネイロ・パラリンピックに日本代表が出場するウィルチェアー(車いす)ラグビー。九州唯一のチームが今春、福岡県で活動を始め、30日からの日本選手権予選に初出場する。
週末、福岡市南区の体育館に「ガツン」という音が響く。タイヤがハの字に広がった頑丈な車いす同士が衝突する音だ。「あと3分」。主将の堀貴志さん(29)=福岡県筑紫野市=が声を上げ、選手が必死に車いすをこぐ。「福岡ダンデライオン」の週1回の練習風景だ。
堀さんは生まれつき手足に筋肉がつきにくい難病を抱える。歩行器や車いすで通学した小学校では、体育の授業に付いていけず、「全然おもしろくないやん」と悔しさを募らせる日々。あまり外出もせず、内向きな少年時代を送った。
転機は6年生のころ。母親に勧…