プロ野球・読売巨人軍の球団代表を解任された清武英利氏が、入手した読売新聞の未公表原稿を外部に送って著作権を侵害したとして、読売新聞東京本社が清武氏に1100万円の損害賠償などを求めた訴訟で、原稿の廃棄と30万円の損害賠償などを命じた二審・知財高裁判決が確定した。最高裁第一小法廷(大谷直人裁判長)が21日付の決定で、読売新聞側の上告を退けた。
二審判決によると、清武氏は球団代表だった2010年12月、読売新聞記者が取材、蓄積していた巨人軍の長嶋茂雄・終身名誉監督に関する原稿データを、かつての部下にメールで送らせ、知人女性に転送した。
二審判決は、清武氏が原稿を第三者に送ったことが著作権侵害に当たると認定。読売新聞側は「営業秘密の不正取得に当たる」とも訴えたが、「原稿には広く知られている情報が多く含まれていた」として認めなかった。