米民主党大会の会場近くで、口に布を巻き無言で抗議するサンダース氏の支持者=フィラデルフィア、五十嵐大介撮影
26日の米民主党全国大会で、クリントン前国務長官が候補者に選ばれた直後、クリントン氏と指名を争ったサンダース氏の支持者が党大会会場近くのプレスセンターで抗議活動をした。口に「No voice(発言権がない)」と書かれたテープを貼って無言で座り込み、警察官が周りを取り囲んで一時騒然とした。熱狂的なサンダース支持者の支持を取りつけて党をまとめることが、クリントン氏の課題だ。
特集:米大統領選2016
米北西部ワシントン州から初めて代議員として参加した雑誌編集者のサンドラ・ウィリアムズさん(54)は「党大会が始まる前から全てが決まっていて、自分たちの声が反映されていないことに腹が立つ。本当の民主主義はみんなの声を聞くことのはずだ」と憤った。会場では、環太平洋経済連携協定(TPP)への反対を訴えるプラカードも目立った。
また同日夜になっても会場外にサンダース氏の支持者数百人が集まり、クリントン氏の指名に抗議。警官隊が駆けつけた。
民主党の運営を取り仕切る全国委員会をめぐっては、シュルツ委員長がサンダース氏を批判しクリントン氏への肩入れを示唆する内容のメールを内部告発サイトのウィキリークスが暴露。シュルツ氏が辞任に追い込まれる事態になっている。(フィラデルフィア=五十嵐大介)