28日、ソウルの憲法裁判所前で、新法の合憲判断に抗議する韓国農畜産連合会関係者。隙間だらけの牛肉セットをかざし、「法施行後には、これだけしか贈答できなくなる」と訴えた=東亜日報提供
韓国憲法裁判所は28日、公務員や記者らに対する3万ウォン(約2800円)を超える食事接待などを禁じる新法を合憲と判断した。新法は9月28日に施行されるが、国内からは「経済や言論活動が萎縮する」などと懸念する声も出ている。
新法は「不正請託及び金品授受の禁止関係法」。同法を推進した政府組織、国民権益委員会の当時の委員長の名前を取って「金英蘭(キムヨンラン)法」とも呼ばれる。公職者や報道関係者、私立学校職員らが対象で、1回に100万ウォン、年間に300万ウォンを超える金品を本人か配偶者が受け取った場合、職務や対価に関係なく刑事処罰の対象になる。さらに、食事は3万ウォン、贈り物は5万ウォン、慶弔費は10万ウォンの上限が設けられている。
韓国社会には公務員への接待や組織内での昇進などを巡る贈答など、不正腐敗が根強く残っているとされる。昨年の国民権益委員会による世論調査では、59・2%が「韓国社会は腐敗している」と答えた。韓国では2010年ごろ、検事が高級自動車や金品を受け取る事件が相次いだが、職務との関連性や対価の問題から一部容疑が認められず、批判が出ていた。
同法を巡っては、弁護士会や記…