「山の日」にちなんだ小物の売り場。富士山をデザインした便箋(びんせん)や扇子などが集められている=東京都中央区の高島屋日本橋店
今年の8月11日は初めての祝日「山の日」――。アウトドア用品メーカーや小売店は商機ととらえ、専用売り場の設置やイベントの企画に動いている。山に関連する商品は登山グッズから食品、おむつまでとすそ野が広く、成長市場として期待されるためだ。
特集:山の日
■収穫体験・トイレ対策・フェアで集客…
アウトドア用品店が軒を連ねる東京・神田。スポーツ用品大手ヴィクトリア(東京都)が運営するアウトドア専門店「エルブレス」では5月から、登山靴と、オリジナルの登山用ソックスを同時に買うと千円割引するサービスを実施している。お客には好評で、ソックスの売上高は割引を始める前の3割増しだ。
厚みのある登山用ソックスは山の必需品。1足約2千円とやや高めだ。山の日をきっかけに登山デビューする初心者も買いやすいようにサービスを考えたという。担当者は「山の日の定着はこれからだが、業界の期待値は高い」と話す。
人々を山に連れ出す企画に取り組むのは、アウトドア用品大手のモンベル(大阪市)だ。8月11日、山の日の制定を記念して、長野や奈良、福岡など全国25カ所で「山遊びイベント」を開催する。北アルプスの縦走登山のほか、小学生も参加できるハイキングとトマトの収穫体験が一緒になったコースなど、幅広い層に向けたイベントをそろえた。「登山に限らず山を訪れる人が増えてほしい」(広報部)とアウトドア市場の拡大を期待する。
山の日に注目するのはアウトド…