首相官邸に入る安倍晋三首相=2日午前8時56分、飯塚晋一撮影
安倍晋三首相が3日に行う内閣改造をめぐり、石原伸晃経済再生相の留任が固まった。一方、石破茂地方創生相は2日の閣議後会見で、「自民党に多様な意見があることが大事」と述べ、今回は閣外へ去る考えを示した。将来の「ポスト安倍」を見据え、いったん閣外に出て、安倍首相との違いを打ち出していくものとみられる。
秋の臨時国会で環太平洋経済連携協定(TPP)関連法案の審議を控えていることから、首相は答弁の継続性などを重視して石原氏を続投させる。首相に近い稲田朋美政調会長と、麻生太郎副総理兼財務相の側近の松本純・元官房副長官も閣僚に充てる方向だ。
石破氏は2日の会見で、これまで複数の閣僚を務めてきたことに触れて、「与えられたポストで全身全霊をつくしてきた。これ以上のことはできないという仕事をしてきた」と強調。その上で、「なお政策面で錬磨を図らないといけないところは多々ある」として、閣外での活動を望む考えをにじませた。ただ「多様な意見があり、国民から安倍政権が強い支持をいただくことは大事だ」と述べ、首相との対決姿勢は避けた。
また、今回の内閣改造では「働き方改革担当相」を新設する方向で調整が進んでいる。政府は「1億総活躍社会」に向けた中長期計画を5月にまとめたが、厚生労働省幹部は「介護と保育については何をどれだけやるという道筋がついたが、働き方改革は方向性が決まっただけ」と話している。