相模原市緑区の障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人が死亡した事件で、殺人などの容疑で送検された元職員の植松聖(さとし)容疑者(26)が神奈川県警の調べに対し、「2月に事件を起こすことを思いついた」と供述していることが捜査関係者への取材でわかった。衆院議長公邸に入所者の殺害を示唆する手紙を持参した時期と重なり、県警は事件を思いついた経緯を調べている。
特集:相模原の殺傷事件
捜査関係者などによると、植松容疑者は2月15日、東京都千代田区の衆院議長公邸を訪れ、土下座で頼み込んだうえで大島理森議長にあてた手紙を渡していた。手紙には、事件のあった園名を挙げて「2つの園260名を抹殺した後は自首します」などと記されていた。逮捕後の植松容疑者宅の捜索では、この手紙の下書きとみられるメモも見つかっている。
さらに措置入院中の2月20日には医療関係者に対し、「ヒトラーの思想が2週間前に降りてきた」と発言。ヒトラーは命に優劣をつける優生思想から、多くの障害者を殺害したとされる。県警は、植松容疑者がこの時期にこうした独善的な考え方に傾いていった経緯について調べている。(照屋健、奥田薫子)