広島市の平和記念公園にある「韓国人原爆犠牲者慰霊碑」の前で5日午前、慰霊祭があった。在日韓国人や日韓の若者らが黙禱(もくとう)と献花をして犠牲者を悼み、「核のない朝鮮半島」の実現を誓った。
特集:核といのちを考える
追悼の辞で、在日本大韓民国民団広島県地方本部の李英俊(イヨンジュン)団長は「北朝鮮の核開発は断じて許せない。朝鮮半島の非核化と平和定着のために力を尽くしたい」と述べた。徐張恩(ソジャンウン)・駐広島韓国総領事は「異郷で無念の死を遂げた方々を決して忘れません」と述べた。
韓国から早稲田大に留学中のキム・ハンサンさん(23)は昨年の慰霊祭で被爆者に韓国人もいたことを知り、今年も日本人の友人らと参加した。「核兵器はあってはいけないと思う。平和のために力をあわせたい」と述べた。
韓国では、600人超の被爆者が暮らす南部の陜川(ハプチョン)で6日、原爆犠牲者の追悼式が開かれる。韓国原爆被害者協会陜川支部長で、2歳のときに広島で被爆した沈鎮泰(シムジンテ)さん(73)は取材に「被爆者はどこにいても被爆者だ。核の怖さを知る被爆者として、原爆を投下した米国の責任追及と、核の全廃を訴え続けたい」と語った。(編集委員・中野晃)