智弁学園―出雲 一回表智弁学園1死二塁、太田は中越えに2点本塁打を放ち生還。次打者福元⑨とタッチをかわす=兵庫県西宮市の阪神甲子園球場、内田光撮影
(7日、高校野球 智弁学園6―1出雲)
動画もニュースも「バーチャル高校野球」
快音とともに白球がセンターバックスクリーンに向かって飛んでいく。選抜王者の智弁学園を勢いづける一発が一回に飛び出した。
1死二塁で3番太田。追い込まれていたが、「苦手なチェンジアップが来ると思っていた」と高めに浮いたその球を中堅左へ打ち込んだ。奈良大会5試合で先取点を挙げたのは1試合だけ。太田は打率2割1分1厘と不調。太田は「最高です」と大喜びだった。
主将の岡沢は振り返る。「奈良大会は苦しかった。勝っても試合の内容が悪ければ『お前ら、それでも日本一か』と観客から言われたこともあった」。しかし、重圧をはねのけ、甲子園までたどり着いた。
「甲子園を楽しもう」というのが合言葉になった。史上8校目の春夏連覇がかかるが、「甲子園まで来れば、強いチームばかりです」と岡沢に力みはない。挑戦者の姿を取り戻した。(坂名信行)
◇
○小坂監督(智) 先制2ランの太田は地方大会で打率2割台前半。「おだてて乗るタイプ。甲子園では打てる、と乗せてきた。あれで楽になった」
○村上(智) 選抜で全試合完投したエースが無四球完投で発進。「春は緊張したけど、今日は落ち着いていた。投げられるところまで1人でいきたい」
○納(智) 3安打2打点。六回にセーフティースクイズを成功させ、「相手が足を使う前に仕掛けられた。ミーティングで決めていたので」と笑顔。