選抜大会準決勝で指揮を執る大阪桐蔭の西谷浩一監督=4月3日、阪神甲子園球場
3日、兵庫県明石市の明石トーカロ球場であった高校野球の春季近畿地区大会決勝は、大阪桐蔭が3―1で智弁和歌山を破って2年連続5度目の優勝を果たした。両校は昨春の近畿大会から今春の選抜大会決勝、そして近畿大会決勝まで、対戦する可能性がある5大会すべての公式戦で対戦し、大阪桐蔭の5戦全勝となった。
大阪桐蔭、智弁和歌山を破りV 2年連続 近畿高校野球
打線は両者11安打ずつ。ただ、大阪桐蔭の打線には流れがあった。
1点を追う四回、3番の中川卓也(3年)が中堅手の頭を越す二塁打で出塁すると、4番藤原恭大(同)が左中間に適時二塁打。さらに5番根尾昂(同)が右前に適時打で続き、勝ち越した。八回にも、この3人の3連打で1点を追加。西谷浩一監督も「クリーンアップが打つと流れが来ますね」とほほえんだ。
打線で引っ張った根尾は、この日先発としても試合をきっちり締めた。一回に先取点を取られたが、走者を背負っても落ち着いてコースをついた。四回以降は、八回を除いて3アウト目を三振で奪う内容。智弁和歌山の高嶋仁監督に「追い込んでからのボールの使い方がうまいね」と言わしめた。
因縁の対決に敗れた高嶋監督は試合後、「いい試合やったけど、負けは負けや」ときっぱり。「今日はね、優勝旗が違うので。今度は頑張ります。なんとか全力で甲子園に出なあかん。夏に(大阪桐蔭と)当たったらすごいと思う。それが決勝だったらね」。百戦錬磨の勝負師が狙いを定めるのは、ただ一つ。深紅の大優勝旗だけだ。(高岡佐也子)