米ミルウォーキーで13日、放火され炎上した車両=AP
米ウィスコンシン州ミルウォーキーで13日から14日にかけて、警察官が逃走中の黒人の男(23)を射殺したことに対する抗議活動が起きた。一部が暴徒化し、ガソリンスタンドや銀行、店舗、警察車両に放火した。同州のウォーカー知事は14日、非常事態を宣言し、再発に備え、州兵が警察支援のための出動態勢にあると発表した。
地元警察によると、混乱で17人が逮捕されたほか、警察官4人が負傷した。現場は貧困と犯罪で知られる地域という。
ロイター通信によると、警察官が13日、路上で不審車を止めたところ、男が降りて逃走。警察官が身につけていたボディーカメラの映像は、男が逃走時に銃を手に持っていたことを示している、と警察は説明した。男は銃を手放すように命じられても従わず、射殺された。銃は盗難品だったという。
警察は、男を射殺した警察官の名前を公表していないが、黒人であると明らかにした。
米国では、ミズーリ州ファーガソンやメリーランド州ボルティモアなどで警察官の黒人殺害に対する抗議デモが激化するパターンが繰り返されてきたほか、逆に警察官が黒人に狙撃される事件も相次いでおり、治安当局と黒人社会の間で緊張が高まっている。(ニューヨーク=金成隆一)