がれきと化したアマトリーチェ。時計台の針(右奥)は地震発生時刻で止まったままだ=29日、山尾有紀恵撮影
イタリア中部で24日未明にマグニチュード6・2の大地震が発生してから31日で1週間。防災当局によると、死者は30日午後の時点で292人に上り、約10人の行方不明者の捜索活動が続く。余震が続くなか、避難を強いられた約3千人は、約60カ所ある避難民キャンプや車で不安な夜を過ごしている。
約230人の死者を出し、最も被害の大きかった丘の上の町アマトリーチェ。中心部の地元消防のテントでは29日、損壊した家に一時帰宅を希望する人たちが集まっていた。
「大切なものをやっと持ってくることができた」。マウリツィオ・アスカニさん(63)もその一人。消防士に付き添われて自宅に戻った後、持ち帰った愛用のギターや家族の写真をいとおしそうに手に取って話した。
山々に囲まれ、中世の趣を残す…