店頭に置かれたスニーカー。谷口稜曄さんの姿を映し出すモニターや「赤い背中」の写真を載せたリーフレットなどもある(大阪市北区、エスエスケイ提供)
長崎の被爆者と協力し、平和をイメージしたデザインのスニーカーを、デンマークを本拠とするスポーツメーカー「ヒュンメル」が作り、30日に発売された。靴を通して「長崎を最後の被爆地に」という被爆者の思いを全国に発信、収益は平和教育のために活用するという。
特集:核といのちを考える
ヒュンメルは「スポーツを通して世界を変える」との理念を掲げた企画に取り組んできた。2010年にはタリバーン政権下でサッカーが禁止されていたアフガニスタンで同国の女子代表チームと、NATO軍チームとの親善試合を開催。日本では4月以降、性的少数者(LGBT)らマイノリティーと協力したスニーカー販売を2回企画した。
被爆者との協力はその第3弾。「PRAY with Hibakusha(被爆者とともに祈る)」と名付けた。サッカーJ2「V(ヴィ)・ファーレン長崎」の平和祈念ユニホームを手がけたことをきっかけに、より広く平和への思いを発信しようと、戦闘服に使われるカムフラージュ柄に花をあしらって平和をイメージしたデザインにし、長崎の被爆者、谷口稜曄(すみてる)さん(87)にモデルを依頼した。
谷口さんは16歳の時に被爆。背中一面を焼かれた赤い背中の写真で知られ、国内外で核廃絶を訴えてきた。店頭ではスニーカーとともに谷口さんの赤い背中の写真や映像も紹介する。
ヒュンメルの商品を国内で展開…