倒れた電柱をよけて歩く女性。「自宅は床上浸水でした。家族は無事だったので良かったです」と話していた=3日午前10時29分、岩手県岩泉町、竹花徹朗撮影
台風10号の豪雨で、岩手県内では3日午前現在、岩泉町などで、なお800人以上が孤立状態にある。岩泉町内では9人の安否を確認中だが、道路の復旧が進まず、捜索が難航している。台風12号の接近で5日以降の天候悪化が予想され、自衛隊などはヘリコプターを使っての捜索を急ぐ。岩泉町内では新たに1人の死亡が確認された。
朝日新聞の取材では、孤立状態にあるのは岩泉町で622人、久慈市で212人。県によると、川の決壊や土砂崩落で、県内の道路13路線20カ所が全面通行止めになっている。
12人の死亡が確認された岩泉町では、孤立した集落で、ヘリコプターでの高齢者らの救出や物資の補給が進められているが、今後の天候悪化で作業が困難になると予測されている。
岩泉町では3日午前9時現在、319人が山間部の6カ所の避難所に身を寄せている。町によると6カ所とも停電しており、電源車で電気を供給している。このうち4カ所では断水も続き、給水車で対応している。今後、病院や老人福祉施設の計3カ所を福祉避難所として開設するという。担当者は「避難の長期化も視野に準備を進める」と話す。
岩手県災害対策本部は3日、岩泉町内で新たに熊谷福志さん(57)の死亡を確認したと発表した。2日に町内で発見され、死因は水死という。県内の死者は13人になった。また、岩泉町の高齢者グループホーム「楽(ら)ん楽(ら)ん」で亡くなった9人のうちの1人の身元が浦場トワさん(94)と確認されたと発表した。
一方、北海道清水町では、行方不明の男性2人の捜索を道警が3日朝から再開。午前10時現在、手がかりは見つかっていない。