内戦が続くシリアで5日朝、地中海沿岸タルトス県など4カ所で爆発があった。国営メディアなどによると、少なくとも48人が死亡、60人以上が負傷した。ロイター通信などによると、過激派組織「イスラム国」(IS)は同日、系列の通信社アマクを通じて、全ての爆発で犯行を認める声明を発表した。
国営メディアや政権関係者によると、爆発が起きたのは、タルトス県、中部ホムス、首都ダマスカス郊外の政権掌握地域3カ所と、少数民族クルド人の勢力が掌握するハサカ郊外。
35人が死亡したタルトス県では、幹線道路で爆弾を積んだとみられる自動車が爆発。その後、負傷者を助けようと人々が集まったところで、爆弾を仕込んだベルトをつけた男が自爆したという。
また、ホムスでは中心部繁華街で自動車が爆発、ダマスカス郊外では軍検問所付近で爆発が起きた。
クルド人勢力圏にあるハサカ郊外では、爆弾を積んだとみられるオートバイが爆発、8人が死亡した。
シリアでは、先月下旬に越境侵攻したトルコ軍が4日、トルコ国境沿いのIS支配地域を全て制圧。ISはトルコ側から物資や戦闘員を補給する道路や拠点を全て断たれ、苦しい状況に追い込まれている。(イスタンブール=春日芳晃)