「地下鉄サリン事件被害者の会」代表世話人の高橋シズヱさん=東京都千代田区、塩入彩撮影
1995年の地下鉄サリン事件などで殺人などの罪に問われたオウム真理教元信徒・高橋克也被告(58)の控訴審判決が7日、東京高裁で言い渡される。駅職員だった夫を事件で亡くし、約20年にわたって教団元幹部の裁判を傍聴し続けてきた「地下鉄サリン事件被害者の会」代表世話人の高橋シズヱさん(69)は、「自分がしたことの影響に気づいてほしい」と話す。
都内の地下鉄に猛毒のサリンがまかれ、13人が死亡、6千人以上が負傷した。この事件で実行犯を送迎する運転手役を務めたなどとして、高橋被告は一審で無期懲役の判決を受けた。7月の控訴審第1回。被害者として参加した高橋さんに頭を下げることも、目を合わせることもなかった。弁護側は被告人質問を求めず、被告が思いを口にすることのないまま結審した。
「教団元幹部の以前の裁判では、もっと感情の動きや変化が見て取れた。高橋被告にも何か響いてくれればと思ったんですが、わからないままでした」
高橋さんはこれまで教団元幹部…