同点に追いつき、涙をぬぐうベルギー代表のサポーターら=ブリュッセル郊外、津阪直樹撮影
(2日、ベルギー3―2日本 サッカー・ワールドカップ)
2点差を一気にひっくり返した逆転劇に、ベルギーは首相もサポーターも歓喜した。厳しかった試合に、日本の強さをたたえる声も少なくなかった。
涙の乾、地面たたき悔しがる昌子 ベスト8へあと一歩
【特集】2018ワールドカップ
2018ワールドカップの日程・結果
「感動した。赤い悪魔(ベルギー代表の愛称)はよくやった」。ベルギーのミシェル首相は試合が終わった2日夜、こうツイッターに投稿し、勝利を祝福。ベルギーの公共放送RTBFは電子版の記事で「赤い悪魔は、日本戦で地獄からはい上がった」と薄氷の勝利であったことを伝えた。
ベルギー各地で大型スクリーンを設置したパブリックビューイングが開かれ、大勢のサポーターが詰めかけた。
ブリュッセル郊外であったパブリックビューイングでは、日本が2点をリードすると一気に重苦しい雰囲気に。頭を抱えたり、ビールのカップを投げたりするサポーターの姿もみられた。大学生のエステル・ブリーさん(24)は「2点差をつけられたときはとても悲しく、失望した。負けたと思った」と話す。
だが、その後、ベルギーが1点を返すと蜂の巣をつついたような騒ぎに。さらに同点に追いつくと、抱き合って喜びを爆発させたり、涙を浮かべたりする人の姿もみられた。大学生のジェイミー・パパジョージさん(19)は「自分たちもチームもあきらめなかった結果。とても難しい試合だった」と話す。
日本の戦いぶりをどうみたか。自動車メーカーで働くエプスさん(28)は「日本は想像以上にいいチームだった。身体能力と少しの運の差だった」。試合前は3対0でベルギーが勝つことを予想していたという。大学生のミルコ・ブダさん(21)は「守備では壁を築き、スピードがある2人の素晴らしいスナイパー(狙撃手)がいた。日本はとてもこわかった」と話した。(ブリュッセル=津阪直樹)