3月25日、湖北省潜江市の湖北奥瑟夫製衣有限公司の作業員が医療用防護服の生産を急ピッチで進めていた。1日あたり生産量は8千着に達し、米国、日本、韓国、欧州連合(EU)などの国・地域に輸出され、世界の防疫をサポートしている。(撮影・呉燕軍/写真提供は人民図片)
最近、中国と世界の新型コロナウイルスの防疫物資に対する大きな需要を満たすため、多くの中国企業が次々に業界の枠を超えて防疫物資の生産に乗り出し、企業活動・生産活動再開の中の明るい話題になっている。工商情報検索サイトのデータでは、現在、全国にはマスク、消毒液、医療用防護服などの防疫物資の生産を新たに業務に加えた企業が数万社ある。マスク生産能力一つをとっても、1ヶ月で4倍以上増加し、今や1日あたりの生産能力は1億枚を超えた。
マスク1億枚の生産能力の背後には、製造業企業の急速な生産転換があり、そこから映し出されるのは、メイド・イン・チャイナの優位性とポテンシャルだ。
湖北省仙桃市は、不織布メーカー300社余りからなる企業クラスターが発展していることから、「中国不織布産業の有名都市」と呼ばれる。
——恒天嘉華不織布有限公司のメルトブロー不織布生産現場では、自動化された生産ラインがうなりを上げていた。作業員がわずか4-5人ほどで、機械から真っ白な不織布が次々に送り出されていた。責任者のトウ華連さんは、「ライン1本で1日あたり8トンの不織布を生産できる。当社は元々SMS不織布を生産していたが、2月中旬に、感染症対策で必要になったことから、医療用マスクに使われるメルトブロー不織布の生産に急いで転換した。現在の1日あたり生産量は20数トンに達し、マスク2千万枚以上を生産できる量だ。当社は生産転換に800万元(1元は約15.2円)近く投入した。当社で生産するメルトブロー不織布は粒子や細菌の濾過率が99%という基準に達し、これまで価格はあまり上がっていない」と説明した。
——湖北裕民防護用品有限公司の生産現場では、作業員が秩序よく並んで座り、手元にある医療用防護服の生地の縫製加工作業を進めていた。同社責任者の張威さんは、「これは一般的な通気性のある生地の医療用防護服で、まもなく米国や欧州に輸出される。当社は主に医療用防護服を手がけ、外向型の企業として、すでにEUと米国の認証を取得した。1日に500着から600着を急ピッチで生産している」と説明した。生産ラインでファスナーの縫い付け作業をしていた胡勤嬌さんは、「今年は一番大変な春節(旧正月、今年は1月25日)だった」と振り返った。感染症が発生した当初、中国国内で医療用防護服が不足したため、(仙桃)市の上層部が同社を訪れ、生産転換して供給を保証できないかと相談した。張氏は海外からの受注を即刻停止し、医療用防護服の生産に転換。中国の感染状況が緩和されるのにともなって、今度は海外市場向けの生産をスタートした。
——同じように生産能力を調整した企業には、新■(品の口が金)不織布有限公司がある。潘元静社長は、「100元の輸出単価で、スペインのバイヤーから1回で20万着の注文を受けた。最近、自分の携帯電話はさながら国際ホットラインで、その大半が長期的な協力関係にある海外バイヤーからの注文や問い合わせだ。製品は出荷されるとすぐコンテナ車で武漢、上海、長沙などの空港に運ばれる。現在、世界の感染状況がますます深刻になっており、バイヤーの中には待ちきれず、チャーター機で直接引き取りに来るところもある」と述べた。