現在、中国にとって最大の貿易パートナーはどこだろうか。多くの人が米国、欧州連合(EU)、日本を思い浮かべるだろうが、すべて不正解で、正解はASEANだ。
ASEANが1位。これは実に深い歴史的意義のあることだ。
新華社がこのほど引用した税関総署のデータによると、今年1-5月には、中国とASEANの貿易総額が1兆7千億元(1元は約15.1円)に上り、前年同期比4.2%増加し、中国の対外貿易総額に占める割合は14.7%だった。EUとの貿易総額は1兆6100億元で同4.4%減少、割合は13.9%だった。米国との貿易総額は1兆2900億元で同9.8%減少、割合は11.1%。日本との貿易総額は8463億6千万元で同0.3%減少、割合は7.3%だった。
データは数々の微妙なシグナルを発している。
新型コロナウイルス感染症により、多くの国が都市封鎖や国境封鎖をし、工場は稼働を停止し、グローバル貿易が崖から落ちるように急速に減少し、中欧、中米、中日間の貿易額も減少した。これはごく当たり前のことだ。
しかし、このような逆境にありながら、中国・ASEAN間の貿易は引き続き増加するのは、注目すべきことだ。
こうして、中国最大の貿易パートナーの順位に歴史的な変化が生じた。
すでに知られているように、2019年の中国最大の貿易パートナー上位4ヶ国・地域は、上から順にEU、ASEAN、米国、日本だった。
一番大きな変化は中国・ASEAN貿易の台頭だ。以前は米国が中国の2番目の貿易パートナーだったが、19年にASEANに取って代わられた。
そして今年1-5月、ASEANは今度はEUを追い抜き、中国の1番目の貿易パートナーになった。
グローバル貿易が減少しているにもかかわらず、中国・ASEAN貿易が引き続き成長しているのは容易なことではない。
ここから3つのことがわかる。
(1) 中国とASEANの感染症コントロールの能力が高いこと。厳しい挑戦は続くが、中国とASEANが世界の他の地域を上回る成果を上げたことに疑問の余地はない。
(2)中国とASEANの経済に活力があること。全世界が生産を停止したが、中国とASEAN各国は迅速に生産を再開した。
(3)さらにわかったのは、中国とASEANの経済が密接に関係していること。経済はグローバル化しているが、産業チェーン全体の中で、中国とASEANは真の運命共同体としてますます結びつきを強くしている。
視野を広げると、中国の4大貿易パートナーのうち、中日貿易はほとんど打撃を受けておらず、1-5月の貿易額は0.3%減とわずかに減少しただけだった。
アジアは全体として優れた成果を上げ、ますます融合が進んで1つのエコノミーになろうとしている。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年6月19日