水しぶきを上げて歩くフンボルトペンギン=竹谷俊之撮影
■360度動画「いきもの目線」
ペンギンが頭上を飛んでいるみたい――。陸上ではヨチヨチと可愛らしい歩き方を見せるペンギンが、水中では猛スピードで自由自在に泳ぐ。そんな様子を360度動画用カメラで水中から撮影した。
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横浜市旭区のよこはま動物園ズーラシア。南米チリやペルーの海岸に生息する海鳥のフンボルトペンギン約50羽を飼育している。体長65~70センチ、体重約4.5キロ。空を飛ぶことはできないが、水中では時速約2キロ、最も速いときは約11キロで泳ぐことができる。
担当飼育員の栗原幹尚さん(50)によると、ペンギンは紡錘(ぼうすい)形の体が水中での抵抗を低くし、丈夫な翼(フリッパー)を上下に動かすことで、強力な推進力を生み出し、速く泳げるという。陸上ではペンギン同士のけんかでも武器になるほどだ。
栗原さんに手伝ってもらって、水深約2.5メートルの水槽に、カメラを設置した。ペンギンたちはしばらくの間、水面でゆったりと泳いでいたが、人の気配を感じるとエサをもらえると思って激しく泳ぎだし、カメラを倒されるハプニングも……。
ところで、ペンギンの性別はどのように判別しているのか。見た目では難しいため、多くの動物園や水族館では翼にカラフルな翼帯を付けて個体識別をしている。ズーラシアでは基本的にオスは右、メスは左で、色によって番号管理しているという。(竹谷俊之)