北朝鮮の核実験から一夜明けた10日、中国吉林省延辺朝鮮族自治州の北朝鮮との国境ゲート前に並んで待機するトラック=10日、平賀拓哉撮影
国連安全保障理事会での北朝鮮への追加制裁へ向け、駆け引きが始まった。米政府内や議会からは、北朝鮮の後ろ盾である中国への不満が噴出した。核実験が繰り返され、追加制裁のかぎを握る中国には国際社会からの圧力が強まりそうだ。しかし、国境をまたいだ中朝の経済交流は活況を呈している。
カーター米国防長官は9日、訪問先のオスロで、北朝鮮の核実験について「すべての国際社会への直接的な挑戦だ」と述べた。「中国は今回の展開に重要な責任があり、(事態を)覆す重要な責任がある」と中国への不満を明言。「北朝鮮への圧力を倍増しなくてはならない」として、「特筆したいのは中国の役割だ。中国の責任だ」と話した。
中国は北朝鮮の核実験やミサイル発射を非難してきたが、制裁強化には慎重姿勢を見せている。中国の制裁履行をめぐっては、人道目的などを名目に、安保理制裁で北朝鮮への輸出が禁止された物資が北朝鮮へ渡り、抜け道が生まれていると指摘される。
米議会からは、中国企業への制…