全米オープンで初優勝し、優勝トロフィーを掲げるケルバー=AP
(10日、全米オープン女子シングルス決勝)
テニス全米オープン女子、独のケルバーが初優勝
二つの称号を同時に手に入れた。全米女王と世界1位。「信じられない1年になった」。28歳のケルバーは笑って、泣いた。
第2セットから鉄壁の守備が崩れた。24歳のプリシュコバが放つ強打のフォアに押され、ベースラインから後退させられた。第7ゲームをブレークされ、このセットを落とした。
最終セットも先にブレークされ、流れは悪い。ショットが決まる度に自信を得ていく相手の勢いにのまれそうになった。
だが、4大大会の決勝の舞台は今季3度目で、全豪とウィンブルドンでは女王セリーナ・ウィリアムズ(米)と互角に渡り合い1勝1敗。その経験と自信があったから、踏みとどまれた。第6ゲームでブレークバック。これで息を吹き返すと、5―4の第10ゲームは1ポイントも落とさずにブレークし、2時間7分の接戦に決着をつけた。
S・ウィリアムズが準決勝で敗れたため、大会後の世界ランキングでは、その女王を抜いて首位に立つ。「いつの日か、世界1位になることと、4大大会で優勝することを夢見ていた。その夢が、まさかこの1年で同時にかなうなんて」。1月の全豪に続き、ニューヨークでつかんだ二つ目のビッグタイトル。4大大会の今季最終戦を最高の形で締めくくった。(野田枝里子)