小惑星ベンヌの表面から試料を採取する探査機「オシリス・レックス」のイメージ=米航空宇宙局(NASA)提供
米航空宇宙局(NASA)が、小惑星から試料を採取して持ち帰る探査機「オシリス・レックス」を打ち上げた。日本が世界に先駆けて成功させた探査機「はやぶさ」の米国版で、将来の火星有人探査を見据えた取り組みだ。米国では、民間企業が小惑星の希少金属を狙う動きもあり、日本がリードしてきた分野の探査機が注目を集めている。
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「太陽系の起源に迫れることに、とても興奮している」。NASAのボールデン長官は、打ち上げ成功を受け、声明でこう述べた。
探査機が目指すのは、地球に最も近い小惑星の一つのベンヌ。太陽系誕生直後、約45億年前にでき、当時のままの成分が残っているとされる。生命に欠かせない有機物や水があるとみられている。到達予定は2018年。ロボットアームで表土を60グラム以上採取し、専用カプセルに入れ、7年後の帰還を目指すという。
NASAには、20年代中ごろまでに、別の小惑星に無人探査機を送る計画もある。探査機が表面の岩などをつかんで月の近くまで運び、宇宙飛行士が合流して直接、調べる内容だ。
こうした探査は、NASAが3…