村正の刀剣を見つめる入場者たち=桑名市京町の市博物館
時代劇などに「妖刀(ようとう)」として登場する刀剣「村正(むらまさ)」に焦点を当てた特別企画展が10日、三重県桑名市京町の市博物館で始まった。つくり手の村正は桑名を活躍の拠点としており、地元の刀鍛冶(かじ)として注目してもらおうと開いた。市内や県外から集めた村正は約20振りあり、これだけまとめて鑑賞できるのは珍しいという。
展示は、弟子など一派の作となる刀剣や刀装具などを含め計70余点。村正は国宝や重要文化財の指定はなくても知名度が抜群で、年配男性から若い女性まで初日から大勢が訪れた。神奈川県と愛知県の女子大生2人連れはゲームが刀剣鑑賞の入り口となった。「村正は名前を知っていて、ぜひ見たいと思いました」
博物館によると、村正は室町から江戸初期に何代かに渡って活躍した。作風に美濃の流れがあり、現在の岐阜県の出身らしい。「折れず、曲がらず、よく切れる」という質の良さの半面、比較的安価で手に入れられたことに加え、桑名が交通の要所だったため、愛用者が広がったとみられている。
村正が妖刀扱いされたのは、徳…